吹田哲二郎

パイプの満ち欠け 2360.586

25年来「TheHiddenDimention(かくれた次元)」をテーマに、パソコン、電子機器、センサーなどを用いた彫刻表現、音楽とは異なるサウンドによる表現の研究を行い、振動を通して観る人と作品をつなぐ作品を制作しています。今回は、大覚寺の宸殿「鶴の間」に長さ2mの金属製のパイプを設置し、間欠的に金属の振動音を響かせます。その音は、意味や理論を伝えることはありませんが、時折響く金属音は、その日の光や、風の音、観客の声、他の作品の音と響き合いながら、その瞬間に顕われる存在の実感を明確に私たちに伝えます。