吉村熊象

noonmoon アルミ蒸着ポリエステル

日本最古の人工池である大沢池に人工月見のインスタレーション。
中国の洞庭湖を模して造られた大沢池で行われてきた月見の宴は、直接月を鑑賞するのではなく、船を浮かべ、池に映った月影を愛でて楽しんだという。
これは天皇は目線より見上げてはならなかったということも理由の一つだという。元々収穫感謝祭の意味があった月見はその表層としての形式だけが残る。
大沢池に浮かぶ異様に大きな月影は、水の動きに身を任せながら光を反射する。現代の表層に漂う自分自身と重ねざるを得ない状況が自然らしい人工池に浮かんでいる。