押忍!pray


山本直樹 Exhibition 『押忍!プレイ』
2013.10/15-21 12:00-18:00 closed 10.21
Performance 10.15,25,26 17:30
CrowdControl
京都嵯峨芸術大学メディアアートroom2

  

山本直樹「押忍!pray」ステイトメント

 

  「所有すればするほど、とらわれてしまうのです。より少なく所有すれば、より自由で

   いられます」-マザー・テレサ

  「所有している金銭は自由への手段であるが、追い求める金銭は隷属への手段である」-

   ルソー

  「人が本当に所有するのは記憶だけである。記憶の中でのみ、人は金持ちであり、貧乏で 

   ある」-アレクサンダー・スミス

 

数年前から東シナ海海域―尖閣諸島が騒がしい。

1968年に東シナ海大陸棚の資源調査の結果、サウジアラビアの石油埋蔵量1.5倍におよぶ大量な資源の埋蔵可能性が報告された。特に近年は震災による原発事故で、エネルギー問題は国際的な喫緊問題である。それにより中国、台湾、日本がそれぞれ領有権を主張し、海軍、海上保安庁、民間調査船、漁船などが入り乱れ、小競り合いの緊張状態が続く場になっている。

 

エメラルドグリーンの静かな海の地下には、強大なエネルギーを秘めている。それに引き寄せられる様に、アメリカも「東シナ海海域安定化」と称して新型輸送機オスプレイの配備を行い、2013年10月16日滋賀県高島市の陸上自衛隊演習場にも、オスプレイ2機も参加しての日米共同訓練を行った。沖縄だけでなく日本国内まで巻き込んでの事態であり、人ごとではなくなってきている。

 

水平/垂直飛行が可能で、縦横無尽に空間を旋回するオスプレイは、今後の東アジア政治の表徴的な存在である。圧力のぶつかり合いから生じた新たな飛行体は何を表すのだろうか。

絶えず吹いている風の中で「所有」について考えていきたい。

                                  2013年10月

                                      山本直樹

 

押忍!pray 作品の手引き

[タイトルについて]

  押忍→空手の言葉、応援団の言葉「お早よーっす」→「おわーす」→「おす」

    →「押して忍ぶ」(自我を抑え我慢する、の意)

  pray→英語で「祈る」の意味

[作品テーマ、コンセプト]

  テーマ→所有とは? 国際社会におけるアメリカの圧力

  キーワード:旋回、揺れ動く、領域、舞い上がる、みえない風、匂い

  コンセプト:みえないアメリカの圧力を扇風機の風とチョコレートの香りで空間内にイン

        スタレーション表現をする

  内容:薄暗い空間内に入ると、天井から表面がミラー状の幅3cmテープが、四角い枠状

     に床面すれすれに囲う様にして静かに垂れ下がっている。その中に入るとテープの

     裏面は赤くなっており、床面も反射して赤く染まっている。程なく天井に設置して

     ある扇風機5基が回り出し、テープを舞い上がらせる。そしてモーター音を唸らせ

     ながらチョコレートの香りが室内一杯に充満していく

[作品データ]

  展覧会期:2013年10月15日~10月26日(10月21日は休み)12:00~18:00

  展覧会場:京都嵯峨芸術大学研心館1F Room2(メディアアート工房)

  サイズ:11,500mm×9,955mm×3,920mm

  素材:扇風機、防鳥テープ、人感知センサー、チョコレート香料、光

  制作協力:寺岡海、梅津順一、野中梓、高野聖浩、嶋崎裕真、たなかあんな、大前光輝、

       徳岡真帆、吉田朋乎(順不同、敬称略)

  制作年月日:2013年10月13日、14日

 [パフォーマンス]

  10月15日、25日、26日17:30~

  ダンスグループ名:Crowd Control

  ダンスメンバー:上原啓太、安喜正紀、金久拓真、森本美輪、舟木まや

  ダンス内容:学生服を着た応援団風の3名と、キリスト教の神父、尼さんのコスプレ衣装

  2名がオスプレイの旋回をテーマにしてブレイクダンスをする。曲はケンイシイのextra。

 [オープニング・イベント]

  「Coffee Break―Semkaku Cake」…尖閣諸島の南小島をモチーフにしたケーキを観客から4

  名を募り、召し上がってもらう。4等分し辛く、話合いながら分ける。ケーキカットする 

  と、原油に見立てたチョコレートシロップが溢れ出る趣向。

 


作品紹介